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子ども新聞プロジェクト -自分たちの目で見て伝える被災地の今-


子ども新聞プロジェクトとは
 東日本大震災から得た教訓を基に、青少年赤十字の態度目標である「気づき・考え・実行する」大切さを未来に伝えるプロジェクト。取材、編集、発行するという新聞作り体験を通して、子どもたちに社会的な問題に関心を持つきっかけを与え、行動に移す能力を育むことを目的としています。
※子ども新聞は、朝日新聞名古屋本社版夕刊購読者宅、愛知県内全域の青少年赤十字加盟小学校527校の4~6年生に配布されました。記事はこちらからご覧いただけます。

僕らの言葉で、未来に伝える

 子ども記者6人の夏休みは、宮城県石巻市での取材からスタートしました。
 未曾有の大規模災害となった東日本大震災から1年半。復興に向けて歩み始めた被災地や、問題を抱え苦悩しながらも力強く生活する被災者を目の当たりにした彼ら。取材で学んだ多くのこと、感じたことを「子ども新聞」を通じて伝えます。
 東海・東南海地震の発生が懸念される地域に住む私たちには、被災地の現状は他人ごとではありません。被災地の今を知り、いずれ起きるであろう震災に備え何をすべきか、自らの身を守るにはどうしたらいいか、子ども新聞を通じて子供たち自身が考え、いざという時に「行動する力」を身に付けてくれることを願います。


22万人の命を背負った 石巻赤十字病院

 子ども記者が最初に訪れたのは、石巻赤十字病院。市内のほとんどの病院が被災し機能停止する中、地域の人々の命を守り続けた日々を、県災害医療コーディネーターでもある石井正医師に取材しました。
 震災時は、マニュアル化された実践的な訓練を日ごろから積んできたことが活かされ、職員の危機意識が高かったこと。また逆に、マニュアルにはない“露払い救護所”を作り、多くの患者をプレ診断することによって、素早く適切な処置を行えたこと…。


宮城県災害医療コーディネーター・石巻赤十字病院 石井 正医師

 こうした日々の訓練と、臨機応変な対応で震災時の混乱を乗り越えたと、最前線で活動をしたからこそ語れるお話を聞くことができました。
 加えて、メディアにできる限り情報を発信したことで人や物の支援に繋がったといいます。「震災の体験を風化させないことがなによりも大事。だから、こうして取材して、被災地の今を記事にする子ども新聞作りを応援しています。」


唯一の情報源はラジオ ラジオ石巻

 震災直後には、行方不明者や亡くなった方などの、安否情報を。避難所生活が続いていた時期には、水道や電気などライフラインの状況を。そして、復興が進んでくると、ボランティアの受け入れや要請に関する情報を、休みなく伝え続けてきたラジオ石巻。今回の震災では、電気の復旧が遅れる中、電池で動くラジオはどんな媒体よりも情報収集に役立ったと、その役割が見直されました。
 「ウソや大げさな情報があふれていた中で、人々の混乱を招かないよう、確実な情報のみ発信することを心掛けました」とラジオ石巻の今野さん。子ども記者もラジオ出演を体験しました。


600年の歴史と誇り 雄勝硯生産販売協同組合

 雄勝町は、硯の生産量が日本一です。そんな町の誇りを守る雄勝硯生産販売協同組合を取材しました。
 地震の直後には、地滑りがあって採石場まで行くことができなかったそう。しかし、採掘した石は日光に弱く、すぐに割れてしまうため、機械は津波で流されてしまったけれど、近くにあるものだけでも守ろうと、石を土に埋めていく作業をしたというお話を聞きました。硯としては使えなくなってしまったものも、お皿やマウスパッドとして利用できると聞き、子ども記者たちも安堵。「伊達政宗も愛用した雄勝硯。その600年の歴史を絶やさぬよう、これからも守っていきたい。」と千葉さん。


再起をかけて、海へ 前網浜漁港・漁業体験

 豊かな漁場として栄えていた前網浜漁港ですが、震災後は以前のような漁場環境ではなくなってしまいました。現在漁師の皆さんは、チームを組んで助け合いながら定置網漁を営んでいます。
 「ホヤの養殖を軌道に乗せたい」と語る漁師さん。しかし、仮設住宅に住みながらの漁だけに、自給自足で精一杯。このまま地元に住み漁を続けたい思いと、生活が困難である現状に悩む毎日だといいます。
 子ども記者も船に乗り、定置網漁を体験。漁師さんたちの苦悩を感じ取ったようです。


ワークショップ

 取材1日目と2日目は、ホテルに戻るとその日取材したことをまとめていくワークショップを行いました。単なる感想になってしまわないよう、テーマに対して「問題」を挙げ、カードに記述。カードをテーマのグループごとにまとめて、キーワードで答えていくというKJ法を用いて文章にしていきます。子ども記者たちは、じっくりと考え、自分なりの言葉でまとめ上げました。


“あの日”の体験を聞く 大須小学校・子ども交流会

 歌や自己紹介で温かく子ども記者たちを迎え入れてくれたのは、全校生徒12名という大須小学校の子どもたち。この小学校は、震災後、避難所として利用されており、赤十字の救護班が活動の拠点としていた場所でもあります。
 地震が起きた直後には、津波被害を予想し、体育館や教室が避難所として地域の人々を受け入れることができる状況かどうか確認を行ったという久光教頭先生。その判断と対応の早さには驚かされます。
 グループに分かれた後、子ども記者たちは大須小の子どもたちに震災の日のことや避難所での生活などを取材。同じ年頃の友達が感じたこと、体験したことを聞き、メモを取った取材手帳は真っ黒に。


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<写真:(C)朝日新聞社、文:日本赤十字社愛知県支部>


企画:日本赤十字社愛知県支部
    朝日新聞社
制作:朝日新聞社名古屋本社広告部
後援:愛知県教育委員会
    名古屋市教育委員会
    愛知県小中学校長会
協力:リバースプロジェクト