矢野きよ実さん「書きま書(しょ)」プロジェクト ボランティア参加 第1弾
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3月11日に起きた東日本大震災での義援金活動をきっかけに、日本赤十字社愛知県支部では、タレントの矢野きよ実さんとコラボレーションをして様々なイベントの企画をするなど、これまで被災地支援の取り組みを協同してきました。
そんな経緯もあり、12月3日から4日間、矢野さんが被災地のひとつである岩手県陸前高田市の小学校で行っている「書きま書」プロジェクトに赤十字スタッフもボランティアとして参加しました。
その内容は、震災以降自分の気持ちを周囲に伝えることが難しくなった子どもたちに、心の中にある想いを文字で表現してもらうこと。この企画がどのように実施されているのか、今回はその様子をご紹介するとともに、被災地でのボランティア活動をレポートします。
石巻市への再訪
大川小学校の跡地にて。犠牲者の方のご冥福を祈り、スタッフ全員で、お供えをしています。
石巻市は、宮城県の沿岸部に位置している津波の被害が大きかった地域です。特に被災当初は、医療機関のほとんどが津波で流されていたので、赤十字は避難所で24時間体制の仮設診療所を立ち上げ、無医村地域を巡回診療するなどの医療活動を展開していました。今回は、陸前高田市での活動の前に立ち寄り、4月に訪問した際にお世話になった方と再会してきました。
お寺で炊き出し準備
初日は、石巻市にある香積寺に宿泊させていただいて、豚丼とたこ焼きを仮設住宅の方に提供する企画のお手伝い。およそ200人分の食材を準備するので、スタッフ総出で玉ねぎやキャベツをザクザク切ります。エプロンもお揃いで気合十分です。
香積寺の厨房で玉ねぎの薄切りに悪戦苦闘中。涙を流しながら黙々と準備をする様子
石巻市の仮設住宅での炊き出し
この地区の仮設住宅では、中心部に集会所があり、支援物資などが届いたら有志の方が集い、必要に応じた配分作業をされています。若い世代の方は、昼間は仕事に出ているようですが、単身で生活されている高齢者の方も多いので、これから長期に渡ってこの生活を続けていくのは、普段の声掛けやこころのケアがとても大変なことだと実感します。
当日はとても風が強く、調理するのは大変でしたが、皆さんに美味しいたこ焼きを食べてもらえました
津波の傷跡・・・
朝早くに起きて、この日は宮城県石巻市から岩手県陸前高田市まで車で移動です。初めてお寺に泊めて頂いたので眠れるか心配でしたが、作業の疲れもあって朝までぐっすり・・・
今回は、海側の国道を通って行ったのですが、目に映る景色は、復興とはほど遠いもの。もちろん、プレハブで建てられたコンビニや整備され始めた道路を見ると、一見復興が進んでいるように感じるのですが、沿岸の津波に襲われた地域には生活感がなく、瓦礫が種類ごとに積み上げられているだけです。
石巻市から陸前高田市に向かう車窓からの景色。復興には時間がかかることを実感します
会場セッティング
目的地の米崎小学校に着くと、会場になる体育館で、すぐにイベントの準備に取り掛かります。
まずは、会場を墨で汚さないように、シートや新聞紙で念入りに床をカバーします。下敷きの代わりには、毛布を活用!日本の硯の名産地だった石巻市雄勝で、被災した工場から借り受けた硯を使って磨った墨もたっぷり用意して、準備完了です。
時間が限られているので、皆テキパキと会場設営をしていました
小学校の授業で、「書きま書」
午後からは、いよいよ特別授業が始まります。矢野さんは、いつも最初に「習字」と「書」の違いを子どもたちに説明します。その内容は、習字と違って、書はお手本の通りに文字を書くことが目的ではなく、自分の気持ちを言葉で表現することが一番大事だということ。この違いは、大人でもこれまで意識してなかった人が多いかもしれませんね。
まずは、簡単な文字で練習をしてから、みんな自分の伝えたい言葉を考えてどんどん書いていきます。「生きることは、傷つくこと」、「心があれば大丈夫」など、真剣な表情で自分の想いを書いていく様子を見ていると、小学3年生の子どもたちの心に震災がどれほど大きな爪痕を残したのか・・・今回の子どもたちが描くメッセージは、自分自身を励ますこと、そして生命の尊さや仲間の存在の有難さを表現する言葉が並んでいます。そこには、心が深く傷ついた人間が、最後に頼りにするものは何なのかというメッセージが秘められている気がします。
陸前高田市の米崎小学校での、「書きま書」イベントの様子。生徒たちは、大きな半紙に元気よく自分のメッセージを描いています
最後に
世間では、連日のようにニュースや新聞で取り上げられていた震災への支援活動も、時を経るごとに少なくなってきています。でも、被災者の方の心情は、3月11日から何も変わっていないのかもしれません。そんな方々と信頼関係を築いていくためには、こういった細やかで、こころの通った支援活動をこれからも継続していくことが大切なんだと実感します。
そして、赤十字が出来ることは、こういった取り組みを見つけ出して伝えていくこと。それが、今回起きた悲劇を忘れないために一番大切なんだと思います。
最後は各自がお気に入りの書を持って記念撮影






